63 歳の男性。
脳出血による左片麻痺。
Brunnstrom 法ステージは上肢Ⅲ、手指 Ⅲ、下肢Ⅳ。
上肢の分離運動促通を目的とした自主訓練として最も適切なのはどれか。
正答5
解説
正解は5です。
Brunnstrom ステージⅢの上肢は、共同運動が随意的に起こる段階です。
肩を挙げると肘も曲がる屈曲共同運動から抜け出し、肘を伸ばしたまま肩を動かす課題が分離運動の促通になります。
図では灰色の左半身が麻痺側です。
【選択肢別解説】
1:× 図1は麻痺側の左手で鉛筆を握り、字を書いています。
書字は手指の細かな分離運動を要する課題で、手指ステージⅢの段階では行えません。
肩や肘の分離運動を促す課題にもなりません。
2:× 図2の窓ふきは、立位で麻痺側の上肢を頭より高く挙げ、肘を伸ばしたまま動かす課題です。
肩90°以上の挙上はステージⅤに相当する動きで、ステージⅢの自主訓練としては難しすぎます。
3:× 新聞紙を割く動作は、両手で紙をつまんで引き裂く動作が中心です。
手指の把持と放しが必要で、手指ステージⅢでは難しく、肩と肘の分離運動の促通にもなりにくい課題です。
4:× 図4のボールつきは、麻痺側の上肢を側方に挙げ、肘を伸ばしたまま手で素早く繰り返しボールをつく課題です。
速い分離運動を要するため、ステージⅢでは困難です。
5:○ 座位で麻痺側の上肢を前方に出し、肘を伸ばしたまま棒を垂直に保持しています。
肩の屈曲と肘の伸展を同時に行うこの肢位は、屈曲共同運動から外れた分離運動(ステージⅣの課題)です。
座位で安全に行え、自主訓練として繰り返しやすい点でも適切です。
【ポイント】
分離運動の促通は、現在のステージより一段上の動作を、安定した姿勢で反復させるのが基本です。
ステージⅣの代表的な動作は「肘伸展位での前方挙上」「手を腰の後ろへ回す」「肘90°屈曲位での回内外」です。