40歳の男性。
20歳から飲酒を始め、就職後はストレスを解消するために自宅で習慣的に飲酒していた。
その後、毎晩の飲酒量が増え、遅刻や無断欠勤をし、休みの日は朝から飲酒するようになった。
連続飲酒状態になり、リビングで泥酔し尿便を失禁していた。
心配した妻に連れられて精神科を受診し、そのまま入院となった。
離脱症状が治まり、体調が比較的安定したところで主治医から作業療法の指示が出された。
初回面接時には「自分は病気ではない」と話した。
初期の対応で適切なのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
離脱症状が治まった直後のアルコール依存症患者で、「自分は病気ではない」と否認している段階です。
初期は否認を責めずに関係をつくり、依存症という病気について知ってもらうことが出発点になります。
【選択肢別解説】
1:× 飲酒しないよう繰り返し指導すると、説教と受け取られ否認や反発を強めます。
初期の対応としては逆効果です。
2:○ 心理教育で依存症の仕組みや身体への影響を伝えると、本人が自分の問題として考えるきっかけになります。
否認の強い初期に適した対応です。
3:× AA(アルコホーリクス・アノニマス)は断酒を続けるための自助グループです。
病気と認めていない段階で紹介しても参加にはつながりにくいです。
4:× 10METsは激しい運動にあたる強度です。
連続飲酒で体力が落ちた直後の患者には負荷が高すぎます。
5:× 問題の受け入れを直接迫ると、否認や抵抗を強めてしまいます。
まずは理解を深める働きかけが優先です。
【ポイント】
アルコール依存症の治療は「否認への直面化」より「動機づけと心理教育」から始めます。
自助グループ(断酒会・AA)は断酒の維持期に重要な役割を果たします。