51歳の男性。
仕事中に3mの高さから転落し、外傷性脳損傷を生じ入院した。
受傷2週後から作業療法を開始した。
3か月が経過し運動麻痺はみられなかったが、日付がわからない、1日のスケジュールを理解できない、感情のコントロールが難しい、複雑な作業は混乱してしまうなどの状態が続いた。
作業療法で適切なのはどれか。
正答1
解説
正解は1です。
運動麻痺はなく、見当識障害、遂行機能障害、感情のコントロール障害が残った外傷性脳損傷の患者です。
このような高次脳機能障害では、刺激を減らし、予測しやすい環境で混乱を防ぐことが基本です。
【選択肢別解説】
1:○ 静かな環境では余計な刺激が減り、注意を課題に向けやすくなります。
混乱や感情の爆発も起こりにくくなるため適切です。
2:× 毎日新しい課題を与えると、手順を覚えられず混乱を招きます。
正しくは同じ流れの課題を繰り返し、日課を一定にします。
3:× 担当者が複数いると対応の仕方が変わり、患者が混乱しやすくなります。
正しくは担当者を固定して一貫した対応をします。
4:× 不適切な言動を繰り返し注意すると、感情的な反応をかえって強めます。
正しくは落ち着いて話題や行動を切り替えるよう促します。
5:× 集団のレクリエーションは刺激が多く、複雑な場面で混乱しやすくなります。
まずは個別で静かな環境での練習が適しています。
【ポイント】
外傷性脳損傷の高次脳機能障害には「刺激を減らす、日課を一定にする、担当者を固定する」が基本の環境調整です。
感情の問題には叱責ではなく、気分転換や場面の切り替えで対応します。