38 歳の女性。
32 歳時に四肢脱力が出現、多発性硬化症の診断を受け寛解と増悪を繰り返している。
2週前に痙縮を伴う上肢の麻痺にて入院。
大量ステロイドによるパルス療法を行った。
この時点での痙縮の治療手段で正しいのはどれか。
正答1
解説
正解は1です。
多発性硬化症は中枢神経に脱髄が起こる疾患です。
体温が上がると脱髄した神経の伝導が一時的に悪くなり、症状が増悪するUhthoff(ウートフ)現象が知られています。
そのため、痙縮の治療でも身体を温める物理療法は避けます。
【選択肢別解説】
1:○ TENS(経皮的電気神経刺激)は皮膚の上から電気刺激を与える方法です。
温熱を伴わずに痙縮や疼痛を軽減できるため、多発性硬化症でも用いることができます。
2:× 超音波療法は深部の組織を温める温熱療法です。
体温上昇によりUhthoff現象を誘発するおそれがあるため適しません。
3:× 赤外線療法は表在の組織を温める温熱療法です。
温熱によって神経症状が悪化するおそれがあるため適しません。
4:× ホットパックは表在を温める代表的な温熱療法です。
多発性硬化症ではUhthoff現象を起こすおそれがあるため避けます。
5:× パラフィン療法は溶かしたパラフィンで手などを温める温熱療法です。
同じく体温上昇による症状の悪化が懸念されるため適しません。
【ポイント】
多発性硬化症では、温熱療法・熱いお風呂・過度な運動による体温上昇に注意します。
物理療法を選ぶ問題では「温めるかどうか」が判断の鍵になります。