30歳の男性。
アテトーゼ型脳性麻痺。
頸椎症性脊髄症を発症し、歩行不能となった。
電動車椅子を導入し、練習開始後2週で施設内自走が可能となったが、壁への衝突等があるために見守りが必要である。
上肢操作向上を目的とした作業療法で適切なのはどれか。
正答1
解説
正解は1です。
アテトーゼ型脳性麻痺者の電動車椅子操作を向上させるための上肢活動を選ぶ問題です。
アテトーゼ型では不随意運動が強く、力を入れたり緊張したりすると不随意運動が増えます。
さらに頸部の不随意運動は頸椎症性脊髄症を悪化させるため、緊張を高めない活動を選ぶ必要があります。
【選択肢別解説】
1:○ 貼り絵は、紙を狙った位置にゆっくり置いて貼る活動で、強い力も危険な道具も使いません。
失敗しても修正しやすく緊張が高まりにくいため、目と手の協調と上肢の操作性向上に適しています。
2:× 鋸引きは強い力を繰り返し使う活動で、全身の緊張と不随意運動を強めてしまいます。
刃物による受傷の危険も大きく、適切ではありません。
3:× ドミノは極めて高い精度で静かに置く必要があり、倒れると最初からやり直しになります。
失敗への緊張が高まると不随意運動が増えるため、適していません。
4:× 彫刻刀は鋭利で、不随意運動により手を切る危険が高い道具です。
押し出すための強い力も必要で、緊張を高めてしまいます。
5:× スタンピングは木槌で刻印を強く叩く活動です。
瞬間的な力みが全身の緊張や頸部の不随意運動を誘発し、脊髄症の悪化につながるおそれがあります。
【ポイント】
アテトーゼ型の作業選択では「力まない」「危険が少ない」「失敗してもやり直しやすい」ことが重要です。
頸椎症性脊髄症を合併した場合は、頸部の過剰な運動を誘発しない活動を選びます。