68歳の女性。
発症後2か月の脳卒中右片麻痺患者。
Brunnstrom法ステージは上肢Ⅳ。
上肢の伸筋群に随意的な関節運動が認められるようになった。
肘伸展を誘発するための作業療法で適切でないのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
この問題は適切でないものを選ぶので、○ が答え(肘伸展の誘発に適さない作業)です。
BrunnstromステージⅣでは共同運動から分離した運動が出始めます。
肘伸展を誘発するには、伸筋群を使って物を押す・前方へ伸ばす課題が有効です。
【選択肢別解説】
1:× 図1は背臥位で、頭上に吊り下げたボールに上肢を伸ばして手で押し、矢印の方向へ動かす課題です。
肘を伸ばした状態でボールを押すため、肘伸展の誘発に適しています。
2:○ 図2は台に座ったまま壁の肋木(はしご状の横木)を握り、矢印のように体を上方へ引き上げる課題です。
横木を握って引く動作は肘屈曲を主とし、屈筋共同運動を強めてしまいます。
そのため肘伸展の誘発には適していません。
3:× 図3は座位で机上の物を前方へ滑らせて押し出すサンディング様の課題です。
肘を伸ばしながら前方へリーチするため、肘伸展の誘発に適しています。
4:× 図4は立位で両手に持ったボールを下方へ押し出す課題です。
肘を伸ばしながら押し下げるので、伸筋群の活動を促せます。
5:× 図5は立位で机に手をつき、上肢に体重をかける課題です。
肘を伸ばした状態で荷重することで、伸筋群の活動と肘の伸展保持を促せます。
【ポイント】
片麻痺の上肢では屈筋共同運動が優位になりやすいため、肘伸展を促すには「押す」「伸ばす」「荷重する」課題を選びます。
「握って引く」課題は肘屈曲を強めるので、目的とは逆になります。