「作業の手順が分からない」、「説明がよく分からない」と訴える統合失調症の患者の認知機能を精査する目的で検査を実施した。
図版の一部を図に示す。
このような図版が含まれるのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
図版は、高さの異なる3本の棒に色の異なる玉が差してあり、Aの配置からBの配置へ玉を移し替える課題です。
これは、決められた手数で目標の配置を作るロンドン塔課題で、事前に手順を計画する遂行機能を評価します。
【選択肢別解説】
1:× WAB(WAB失語症検査)にはこの図版は含まれません。
話す、聞く、読む、書くなど言語機能を評価する失語症検査です。
2:× BADS(遂行機能障害症候群の行動評価)にはこの図版は含まれません。
BADSも遂行機能の検査ですが、規則変換カード、行為計画、鍵探し、時間判断、動物園地図、修正6要素で構成されます。
ロンドン塔課題は含まれません。
3:× MMSE(Mini-Mental State Examination)にはこの図版は含まれません。
見当識、記銘、計算、図形の模写などからなる認知症のスクリーニング検査です。
4:○ BACS-J(統合失調症認知機能簡易評価尺度日本語版)にこの図版が含まれます。
BACS-Jは、言語性記憶、作業記憶、運動機能、言語流暢性、注意と情報処理速度、遂行機能の6領域を評価します。
遂行機能の課題としてロンドン塔検査が用いられます。
5:× WAIS-Ⅲ(ウェクスラー成人知能検査第3版)にはこの図版は含まれません。
言語性と動作性の下位検査からなる知能検査で、ロンドン塔課題はありません。
【ポイント】
BACS-Jは統合失調症の認知機能障害を評価するために作られた検査で、約30分で実施できます。
作業手順や説明が理解しにくいという訴えは、記憶や遂行機能の障害を背景としていることが多いです。