21歳の男性。
交通事故によるびまん性軸索損傷と診断された。
意識は清明で運動麻痺はない。
新しい物事を覚えるのが困難で記憶の障害が顕著である。
この患者に対する適切なアプローチはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
びまん性軸索損傷の後遺症として、新しいことを覚えられない前向性の記憶障害が目立つ事例です。
記憶障害のリハビリテーションでは、記憶そのものの回復を狙うより、外的な手段で補い、誤りをさせずに手順を定着させることが基本です。
【選択肢別解説】
1:× 毎日異なる課題を与えるのは適切ではありません。
記憶障害があると前日の学習が残りにくく、毎回が初めての課題になって混乱します。
同じ課題を同じ手順で反復するほうが、手続き記憶として身につきます。
2:○ 記憶の外的補助手段を使うのが適切です。
メモ帳、スケジュール表、スマートフォンのアラームなどで、覚えられない情報を外部に置きます。
使い方そのものは反復で習得でき、生活の自立度を高められます。
3:× 試行錯誤が必要な課題は適切ではありません。
記憶障害者は自分の誤りを覚えていられず、誤った反応がそのまま学習されやすくなります。
誤りをさせない誤りなし学習(エラーレスラーニング)が推奨されます。
4:× 複数の学習課題を同時に行うのは適切ではありません。
情報量が増えると干渉が起こり、どれも定着しにくくなります。
課題は一つずつ絞って練習します。
5:× 日課を本人のペースで柔軟に変えるのは適切ではありません。
日課が毎日変わると見通しが持てず、習慣として身につきません。
日課は一定に固定し、構造化された環境を作ります。
【ポイント】
記憶障害への介入の柱は、外的補助手段、誤りなし学習、環境の構造化です。
反復によって手続き記憶を活用する点も押さえておきます。