正答4
解説
正解は4です。
上腕骨骨幹部骨折では、上腕骨の後面を螺旋状に走る橈骨神経(橈骨神経溝の部分)が損傷されやすくなります。
橈骨神経の高位麻痺では、手関節と手指MP関節を伸展できない下垂手(drop hand)が生じます。
【選択肢別解説】
1:× ①は母指と示指・中指の間にひも状の物をはさみ、つまむ動作をしている写真です。
物をつまむ動作の様子を示すもので、力を抜いた手関節と手指がだらりと垂れ下がる④ほど典型的な下垂手の像ではありません。
2:× ②は示指と中指が伸びている一方、環指と小指が指の関節で曲がったまま伸びきらない写真です。
尺骨神経麻痺でみられる鷲手(かぎ爪変形)に近い形で、手関節は垂れていないため、橈骨神経麻痺の像ではありません。
3:× ③は母指球が平坦で、母指が他の指と同じ平面に並んだ猿手の写真です。
猿手は正中神経麻痺でみられる変形です。
4:○ ④は手関節が掌屈位に垂れ下がり、手指も屈曲したまま伸ばせていない下垂手の写真です。
上腕骨骨幹部骨折に合併する橈骨神経麻痺の典型像です。
5:× ⑤は手指を握り込み、握りこぶしをつくっている写真です。
手指を曲げて握る動作を示すもので、④のように手関節と手指を伸ばせずに垂れ下がる下垂手の典型像ではありません。
【ポイント】
神経麻痺と手の変形は「橈骨神経=下垂手」「正中神経=猿手」「尺骨神経=鷲手(かぎ爪手)」の対応で整理します。
上腕骨骨幹部骨折では橈骨神経麻痺、上腕骨顆上骨折では正中神経麻痺や阻血性拘縮に注意します。