85歳の女性。
右利き。
突然の意識消失のため救急搬入された。
入院後、意識は回復した。
発症後2時間のMRI拡散強調像(下図)を示す。
今後この患者に生じる可能性の高い症状はどれか。
正答5
解説
正解は5です。
MRI拡散強調像で高信号を示す急性期梗塞の部位から、出現しやすい症状を推定する問題です。
画像は向かって左が患者の右側です。
右側脳室体部の外側の深部白質から頭頂葉皮質下にかけて、高信号域がみられます。
右利きの患者なので、右半球は非優位半球にあたります。
【選択肢別解説】
1:× 拮抗失行は脳梁(特に体部から膨大部)の損傷で生じます。
今回の病変は右大脳半球の白質で、脳梁の損傷ではありません。
2:× 左右失認は優位半球(左)の頭頂葉、特に角回の損傷で生じ、Gerstmann症候群の一症状です。
右半球病変の症状ではありません。
3:× 運動性失語は優位半球(左)の下前頭回後部(Broca野)の損傷で生じます。
右半球病変では通常みられません。
4:× 社会的行動障害は前頭葉、特に眼窩部や前頭葉内側面の損傷で目立ちます。
今回の病変は前頭葉ではありません。
5:○ 右半球の頭頂葉を中心とする病変では、左側の空間に注意が向かない左半側空間無視が生じやすくなります。
画像の病変は右中大脳動脈領域の頭頂葉寄りにあり、この症状を最も起こしやすい部位です。
【ポイント】
半側空間無視は右半球損傷で左側に生じることが圧倒的に多く、右頭頂葉(下頭頂小葉)が代表的な責任部位です。
画像の左右表示(向かって左が患者の右)を最初に確認する習慣をつけましょう。