55 歳の男性。
アルコール依存症に肝機能障害を合併。
仕事上のトラブルから連続飲酒状態となり入院治療に至った。
退院後、依存症専門デイケアを利用することになったが、少し位なら飲んでも大丈夫と思っている様子であった。
妻同伴で担当作業療法士と面接を行った際に再発予防のための助言を受けることとなった。
作業療法士の対応として最も適切なのはどれか。
正答5
解説
正解は5です。
アルコール依存症の治療目標は、節酒ではなく断酒の継続です。
本例は「少しなら飲んでも大丈夫」と考えており、断酒の動機づけと継続を支える仕組みが必要です。
【選択肢別解説】
1:× 意志の弱さを責めると、本人は防衛的になり、否認や治療からの離脱を招きます。
依存症は意志の問題ではなく病気であると伝えることが大切です。
2:× 依存症では少量の飲酒から飲酒のコントロールを失い、連続飲酒に戻ります。
少量なら飲んでよいと勧めることは再発を招くため誤りです。
3:× 妻に飲酒状況を監視させると、妻が本人の飲酒の責任を負う形になり、共依存を強めます。
断酒の主体は本人であり、監視役を家族に任せるのは適切ではありません。
4:× 食事管理は健康面では大切ですが、再発予防の助言の中心ではありません。
本人の飲酒問題への取り組みを家族に肩代わりさせる対応にもなります。
5:○ A.A.(Alcoholics Anonymous:アルコホーリクス・アノニマス)は、依存症者同士が体験を語り合う自助グループです。
仲間の支えの中で断酒を続ける動機を保てるため、参加を勧めるのが最も適切です。
【ポイント】
断酒の三本柱は「通院・抗酒薬・自助グループ(断酒会・A.A.)」です。
家族には、家族会やアラノン(家族の自助グループ)への参加を勧めます。