正答2
解説
正解は2です。
胸部CTは大動脈弓の高さの横断像で、画像の向かって左側が患者の右側です。
矢印は、右胸腔の背側で、胸壁に沿って三日月状にたまった均一な陰影を指しています。
この陰影は筋肉と同じかやや低い濃度で、肺と接する上の縁は水平に近い平らな面をつくっています。
仰向けで撮影したときに液体が重力で最も低い背側にたまった像であり、胸水の所見です。
【選択肢別解説】
1:× 肺炎では、肺の中の空気が滲出液に置き換わり、肺野に浸潤影やすりガラス影がみられます。
矢印の陰影は肺の外側の胸腔にあり、背側にたまった液体の形をしています。
2:○ 胸水は胸膜腔にたまった液体で、仰向けでは背側の最も低い所にたまり、胸壁に沿った三日月状の陰影をつくります。
矢印の所見と一致します。
3:× 肺癌は、肺野に境界が不整な結節影や腫瘤影としてみられることが多い病変です。
重力に従って背側に広がる三日月状の形にはなりません。
4:× 肺塞栓は肺動脈の中に血栓が詰まる病態で、造影CTで肺動脈の中の造影されない部分(欠損)として描出されます。
胸壁に沿った液体の陰影ではありません。
5:× 心囊液貯留は、心臓を包む心膜の中に液体がたまる状態で、心臓の周りを取り巻く陰影としてみられます。
矢印は心臓から離れた右胸腔の背側を指しています。
【ポイント】
画像では、液体は重力に従って最も低い場所にたまります。
仰臥位のCTでは背側に、立位の胸部X線写真では肋骨横隔膜角が鈍くなる所見として現れます。