正答5
解説
正解は5です。
前交通動脈瘤の破裂や治療(クリッピング術・塞栓術)の後には、前交通動脈から出る細い穿通枝の灌流域である前脳基底部が障害されることがあります。
前脳基底部には、記憶に重要なアセチルコリン系の神経核(Meynert基底核や中隔核など)があります。
ここが両側で障害されると、新しいことを覚えられない前向健忘を中心とした健忘症候群が生じます。
【選択肢別解説】
1:× 構成障害は、図形の模写や積み木などで形を組み立てられない障害です。
主に頭頂葉の損傷で生じ、前脳基底部の損傷に特徴的な症状ではありません。
2:× 視覚失認は、見ている物が何かわからない障害です。
後頭葉から側頭葉にかけての視覚連合野の損傷で生じます。
3:× 相貌失認は、よく知っている人の顔を見ても誰かわからない障害です。
主に右側の紡錘状回を中心とする後頭側頭葉の損傷で生じます。
4:× 感覚性失語は、話し言葉の理解が障害される流暢性の失語です。
優位半球の上側頭回後部(Wernicke野)の損傷で生じます。
5:○ 両側の前脳基底部の損傷では、記憶に関わるアセチルコリン系の働きが失われ、前向健忘を中心とする健忘症候群が生じます。
作話を伴うことも多くみられます。
【ポイント】
健忘症候群を起こす主な部位は、海馬などの内側側頭葉、視床、乳頭体、前脳基底部です。
前交通動脈瘤の治療後に記憶障害がみられたら、前脳基底部の損傷を考えます。