65 歳の男性。
脳梗塞で左片麻痺となり1か月が経過した。
Brunnstrom 法ステージで上肢Ⅳ、手指Ⅳ、下肢Ⅳ。
認知機能と感覚とに障害はない。
非麻痺側上肢に機能的な問題はない。
短下肢装具を用いて屋内歩行が可能。
作業療法で適切でないのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
この問題は適切でないものを選ぶので、○ が答え(不適切な作業)です。
Brunnstrom法ステージⅣは、共同運動から一部の分離運動ができ始める段階です。
上肢Ⅳでは、手を腰の後ろへ回す、肘を伸ばしたまま腕を前方水平まで上げる、肘90度屈曲位で前腕を回内・回外する、の3つが可能になります。
腕を頭上まで上げる動作はステージⅤの課題なので、本例にはまだ難しい作業です。
【選択肢別解説】
1:× ループ付きタオルは輪に手を通して保持できるため、握る力の弱い麻痺手でも洗体に参加できます。
両手動作の中で麻痺手を使う機会にもなり、適切です。
2:× ズボンの引き上げには、手を腰の後ろへ回すステージⅣの運動が含まれます。
短下肢装具で屋内歩行ができるので、安全に配慮すれば立位での練習も適切です。
3:○ 頭上の棚への収納には、肩関節を屈曲して上肢を頭上まで挙上する運動が必要です。
これはステージⅤの分離運動でステージⅣでは困難なため、本例には適切ではありません。
4:× テーブルの雑巾がけは、肘を伸ばして腕を前方へ伸ばす運動で、ステージⅣの課題に合っています。
テーブルが上肢の重さを支えるため、麻痺手でも行いやすい作業です。
5:× タオルたたみは、机上で両手を協調させる軽い作業です。
手指Ⅳの横つまみや粗大な把持で行え、麻痺手を補助手として使う練習として適切です。
【ポイント】
上肢のステージⅣの課題は「腰の後ろ・前方水平挙上・肘90度での回内外」です。
ステージⅤの課題は「側方水平挙上・頭上への挙上・肘伸展位での回内外」で、作業はいまのステージで可能な運動を含むものを選びます。