正答2
解説
正解は2です。
心電図はⅡ・Ⅲ・aVF誘導の記録です。
3つの誘導のいずれでも、QRS波の始まりに幅が広く深い下向きの波(異常Q波)がみられます。
その後のST部分は上に凸に盛り上がり、続くT波は下向き(陰性T波)です。
Ⅱ・Ⅲ・aVFは心臓の下壁を反映する誘導なので、下壁の心筋梗塞を示す所見です。
【選択肢別解説】
1:× F波(粗動波)は、心房粗動で基線がのこぎりの歯のように揺れる波です。
本例の基線は平坦で、F波はみられません。
2:○ 異常Q波は、幅が0.04秒以上、または深さがR波の高さの4分の1以上のQ波で、心筋の壊死を表します。
Ⅱ・Ⅲ・aVFで深く幅広いQ波が続いており、下壁梗塞の所見です。
3:× δ(デルタ)波は、WPW症候群でみられるQRS波の始まりのなだらかな立ち上がりです。
本例のQRS波は鋭く下向きに始まっており、δ波はありません。
4:× PQ延長(0.20秒を超える)は第1度房室ブロックの所見です。
本例ではP波からQRS波までの間隔に明らかな延長はありません。
5:× 本例のST部分は低下ではなく、上に凸に上昇しています。
ST低下は、狭心症発作時などの心内膜下虚血でみられる所見です。
【ポイント】
異常Q波は心筋梗塞の発症後数時間から数日で現れ、その後も長く残るため、陳旧性心筋梗塞の診断に役立ちます。
梗塞の部位は誘導から推定し、Ⅱ・Ⅲ・aVFなら下壁(右冠動脈領域が多い)、V1〜V4なら前壁中隔と考えます。