正答4
解説
正解は4です。
図は甲状腺の穿刺吸引細胞診で、細胞がシート状に密に重なり合った大きな集塊を作っています。
核は類円形で腫大し、大きさがそろわず、クロマチンは細かく淡いすりガラス状です。
一部の核には、核の中に細胞質が入り込んだ円形の核内細胞質封入体や、コーヒー豆のような核溝がみられます。
これらの核所見は甲状腺乳頭癌の特徴です。
【選択肢別解説】
1:× 正常の甲状腺濾胞細胞は小型で、核の大きさがそろい、クロマチンは濃く均一です。
図のような核の腫大や封入体はみられません。
2:× 橋本病では多数のリンパ球と、好酸性の細胞質をもつ膨大細胞がみられます。
図にはリンパ球の背景がなく、一致しません。
3:× 亜急性甲状腺炎では多核巨細胞や類上皮細胞が出現します。
図にはそのような細胞はなく、一致しません。
4:○ 乳頭癌はすりガラス状の核、核溝、核内細胞質封入体を特徴とします。
図の細胞集塊の核所見と一致します。
5:× リンパ腫では、結合性のない異型リンパ球が単調に散在して出現します。
図のような上皮性の密な集塊にはなりません。
【ポイント】
甲状腺乳頭癌は甲状腺癌の約90%を占める最も多い組織型です。
診断は核所見で行うため、核溝、核内細胞質封入体、すりガラス状核の3つを必ず覚えましょう。