正答4
解説
正解は4です。
過ヨウ素酸シッフ〈PAS〉反応は、グリコーゲンや中性粘液などを赤紫色に染めます。
唾液やα-アミラーゼで処理してから染める消化試験で、陽性が消えればグリコーゲンと判定できます。
図の所見を確認します。
消化前(No.9A)では、食道の重層扁平上皮の中層から表層の細胞質が、赤紫色に強く染まっています。
粘膜下層の食道腺(粘液腺)も、濃い赤紫色に染まっています。
消化後(No.9B)では、扁平上皮の細胞質の赤紫色がほぼ消え、淡いピンク色になっています。
一方、食道腺の粘液は消化後も濃い赤紫色のまま残っています。
アミラーゼで消えた上皮の陽性物質はグリコーゲン、消えずに残った腺の陽性物質は中性粘液です。
【選択肢別解説】
1:× 線維素(フィブリン)はアミラーゼで消化されません。
本例の上皮で消えた陽性物質とは性質が異なります。
2:× 中性粘液はPAS陽性ですが、アミラーゼでは消化されません。
本例でも食道腺の粘液は消化後も陽性のまま残っています。
3:× アミロイドはアミラーゼで消化されません。
Congo red染色で橙赤色に染まり、偏光顕微鏡で緑色の複屈折を示すことで同定します。
4:○ グリコーゲンはPAS陽性で、α-アミラーゼで分解されて陰性になります。
食道の扁平上皮はグリコーゲンを多く含み、本例の消化前後の変化と一致します。
5:× リポフスチンはアミラーゼで消化されない褐色の色素です。
加齢とともに心筋や神経細胞に蓄積し、消化試験の対象ではありません。
【ポイント】
「PAS陽性でアミラーゼ消化で陰性になるのはグリコーゲン、消化後も陽性なのは中性粘液」です。