正答4
解説
正解は4です。
左室流入血流速波形のE波・A波の比(E/A)とE波減速時間〈DT〉から、左室拡張能を評価する問題です。
図の計測値は、E波150 cm/s、A波34 cm/s、DT 128 msです。
E/Aは150÷34で約4.4と非常に高く、DTは短縮しています。
【選択肢別解説】
1:× 正常パターンでは、若年者でE/Aが1〜2程度、DTは150〜240 ms程度です。
高齢者ではむしろE/Aが1未満になるのが普通で、本例の値とは合いません。
2:× 弛緩障害パターンではE/Aが1未満(0.8以下)となり、DTは延長します。
本例はE/Aが高くDTが短いため該当しません。
3:× 偽正常化パターンでは、E/Aが1〜2程度と一見正常に見え、DTも正常範囲です。
本例のE/A約4.4という値は高すぎます。
4:○ 拘束パターンでは、左房圧が高いためE波が高く、左室が硬いためE波が急に減速します。
E/Aが2以上でDTが150 ms未満という基準を本例は満たします。
5:× 判定不可能となるのは、心房細動でA波がない場合などです。
本例では心電図が洞調律で、A波も明瞭に記録されています。
【ポイント】
拡張障害が進むと、弛緩障害、偽正常化、拘束型の順にパターンが変化します。
拘束パターンは左房圧が高い状態を示し、心不全の重症例で予後不良の所見です。