正答5
解説
正解は5です。
示された胸部誘導(V1〜V6)では、QRS波が幅の狭い形で、一定の長い間隔をおいて規則正しく出現しています。
一方、小さなP波はQRS波とは無関係な位置に、QRS波より短い間隔で出現しています。
P波がT波に重なったり、QRS波の直前に来たりと、PとQRSの位置関係が拍ごとに変わっています。
これは心房と心室が別々のリズムで動いている房室解離の状態であり、Ⅲ度(完全)房室ブロックの所見です。
【選択肢別解説】
1:× 洞房ブロックでは、P波とそれに続くQRS波がまとめて脱落します。
P波とQRS波の対応は保たれており、本図のような房室解離はみられません。
2:× Ⅰ度房室ブロックでは、PQ時間が0.20秒を超えて延長しますが、すべてのP波にQRS波が続きます。
本図ではP波とQRS波が対応していません。
3:× Wenckebach型房室ブロックでは、PQ時間が少しずつ延長した後にQRS波が1拍脱落し、これを周期的に繰り返します。
本図ではPQ時間に一定の規則性がありません。
4:× MobitzⅡ型房室ブロックでは、PQ時間が一定のまま突然QRS波が脱落します。
伝導される拍ではPとQRSが対応しますが、本図ではその対応がみられません。
5:○ Ⅲ度房室ブロックでは心房の興奮が心室にまったく伝わりません。
心室は補充調律で一定の遅い間隔で興奮し、P波とQRS波が互いに無関係に出現します。
【ポイント】
Ⅲ度房室ブロックの見分け方は、P-P間隔とR-R間隔がそれぞれ一定で、P波の数がQRS波より多く、PQ時間がばらばらであることです。
本図のようにQRS幅が狭い場合は、房室接合部からの補充調律と考えられます。