正答1
解説
正解は1です。
別冊No.8は、ゲーティングした細胞集団の2次元表示(ドットプロット)です。
B細胞マーカーのCD19が97.8%、CD20が86.8%陽性で、ほぼすべてがB細胞系の細胞です。
T細胞マーカーのCD2、CD3、CD4、CD7、CD8はほとんど陰性です。
未熟な細胞のマーカーであるCD34とCD10も陰性です。
免疫グロブリン軽鎖ではκ鎖陽性が96.9%を占め、λ鎖陽性はほとんどいません。
またCD5が67.2%の細胞に陽性です。
【選択肢別解説】
1:○ 成熟Bリンパ球性腫瘍細胞と考えられます。
成熟B細胞の表面マーカーをもち、軽鎖がκ鎖に偏る単クローン性を示すためです。
B細胞でのCD5陽性も、慢性リンパ性白血病やマントル細胞リンパ腫などの腫瘍性を示唆します。
2:× 成熟Tリンパ球性腫瘍細胞なら、CD2、CD3、CD4などのT細胞マーカーが陽性になります。
本例ではこれらがほぼ陰性です。
3:× 急性リンパ性白血病細胞は未熟な芽球で、CD34やCD10が陽性になることが多いです。
本例はどちらも陰性で、表面免疫グロブリンの軽鎖を発現する成熟B細胞です。
4:× 正常Bリンパ球は多クローン性で、κ鎖とλ鎖の陽性細胞がおよそ2対1の割合で混ざります。
本例のようにκ鎖だけに偏ることはありません。
5:× 正常Tリンパ球なら、CD3やCD2が陽性になります。
本例ではT細胞マーカーが陰性です。
【ポイント】
B細胞の腫瘍性(単クローン性)は、軽鎖のκとλの比の偏り(軽鎖制限)で判断します。
成熟B細胞腫瘍の病型は、CD5、CD10、CD23などの組合せで推定します。