正答3
解説
正解は3です。
通常、血清NaとClの差はおよそ35〜40 mmol/Lです。
本例は差が15 mmol/Lしかなく、Na値は正常なのにCl値だけが極端に高くなっています。
これは測定上の見かけの高値(偽高値)を疑う所見です。
【選択肢別解説】
1:× 嘔吐では胃酸(塩酸)を失うため、Clは上昇ではなく低下します。
低クロール性の代謝性アルカローシスになります。
2:× 尿崩症では水が失われてNaとClがともに上昇します。
Clだけが突出して高くなることはありません。
3:○ 臭素中毒が考えられます。
臭化物イオンはClと同じハロゲンで、Cl電極が臭化物イオンにより強く反応するため、Clが見かけ上著しく高く測定されます。
4:× Addison病では副腎皮質ホルモンの不足で、Naは低下し、Kは上昇します。
Clだけが高くなる所見とは合いません。
5:× Cushing症候群ではNaはやや高め、Kは低めになり、代謝性アルカローシスに傾きます。
Clの著しい高値はみられません。
【ポイント】
NaとClの差が極端に小さいときは、臭化物などハロゲンによるCl偽高値を疑います。
アニオンギャップが見かけ上ほとんど0やマイナスになるのが手がかりです。