膀胱炎患者の中間尿を、5%ヒツジ血液寒天培地(左)とBTB乳糖寒天培地(右)の分画培地で35℃、24時間好気培養した写真(別冊No.11)を別に示す。
推定される菌種はどれか。
正答4
解説
正解は4です。
左のヒツジ血液寒天培地では、菌が培地全面に広がり、同心円状の波紋のような模様をつくっています。
これは菌が培地表面を這うように広がる遊走(スウォーミング)現象です。
右のBTB乳糖寒天培地では、コロニーは無色から白色で、培地は青色のまま黄変していません。
これは乳糖を分解しないことを示しています。
遊走現象と乳糖非分解の組合せから、Proteus mirabilisと推定できます。
【選択肢別解説】
1:× Enterobacter cloacaeは遊走現象を示しません。
乳糖を分解するため、BTB乳糖寒天培地では黄色のコロニーをつくります。
2:× Escherichia coliは遊走現象を示しません。
乳糖を分解するため、BTB乳糖寒天培地では黄色のコロニーをつくります。
3:× Klebsiella pneumoniaeは遊走現象を示しません。
乳糖を分解し、黄色で粘稠なコロニーをつくります。
4:○ Proteus mirabilisは活発な周毛性の運動で血液寒天培地上に遊走し、同心円状に広がります。
乳糖は分解しないため、BTB乳糖寒天培地では培地が青いままとなり、写真の所見と一致します。
5:× Pseudomonas aeruginosaは乳糖を分解しませんが、遊走現象は示しません。
血液寒天培地では金属光沢や緑色色素を伴う扁平なコロニーをつくります。
【ポイント】
遊走現象はProteus属の特徴です。
P. mirabilisは尿路感染症の原因菌として多く、ウレアーゼを産生して尿をアルカリ化します。