正答5
解説
正解は5です。
墨汁標本は、黒い墨汁の粒子が入り込めない莢膜を、透明な抜けとして浮かび上がらせる方法です。
髄液の墨汁標本で莢膜をもつ酵母がみられれば、クリプトコックス髄膜炎を考えます。
図では、黒い背景の中に、円形の透明な領域が2つみられます。
それぞれの中央に小さな円形の菌体があり、その周りを厚い透明な帯(莢膜)が取り巻いています。
厚い莢膜をもつ円形の酵母なので、Cryptococcus neoformansと推定できます。
【選択肢別解説】
1:× クリプトコックスは、組織内でも培養でも酵母形のままで、二形性を示しません。
二形性を示すのは、Histoplasma capsulatumやTalaromyces marneffeiなどです。
2:× 発芽管を形成するのはCandida albicansで、血清中で短時間培養すると発芽管が伸びます。
クリプトコックスは発芽管を形成しません。
3:× 仮性菌糸を形成するのはCandida属で、出芽した細胞が離れずに長くつながったものです。
クリプトコックスは仮性菌糸を形成しません。
4:× 厚膜胞子を形成するのはCandida albicansで、コーンミール寒天培地で観察されます。
クリプトコックスは厚膜胞子を形成しません。
5:○ クリプトコックスはウレアーゼを産生し、尿素培地を赤変させます。
ウレアーゼを産生しないCandida属との重要な鑑別点です。
【ポイント】
クリプトコックスは「墨汁で厚い莢膜、ウレアーゼ陽性、フェノールオキシダーゼ陽性(褐色集落)」と覚えます。
髄液や血清のクリプトコックス抗原(グルクロノキシロマンナン)の検出も診断に用いられます。