正答4
解説
正解は4です。
超音波検査では、組織の構造とは別に、音波の反射や屈折によって生じるアーチファクトが現れます。
それぞれの成り立ちを理解すると、病変の性状の推定に役立ちます。
図では、甲状腺の中に境界明瞭な低エコー(ほぼ無エコー)の円形の結節があります。
矢印の先には点状の強い高エコーがあり、その深部へ向かって細く短く減衰していく線状のエコーが尾を引いています。
これは微小な強反射体の中で超音波が多重反射して生じるコメットエコー(コメットサイン)です。
【選択肢別解説】
1:× 音響陰影は、結石や粗大な石灰化などの強反射体の後方が黒く抜ける所見です。
図では後方が黒くならず、逆に明るい線状エコーが尾を引いています。
2:× 外側陰影は、表面が滑らかな円形の腫瘤の両側の縁から後方へ伸びる細い黒い影です。
超音波の屈折で生じ、矢印のような結節内部の点状高エコーとは異なります。
3:× 後方エコー増強は、嚢胞など減衰の少ない病変の後方が周囲より明るく見える所見です。
病変の後方全体が帯状に明るくなるもので、矢印のような細い尾状の像ではありません。
4:○ コメットエコーは、強反射体の後方に彗星の尾のような線状の高エコーが続くアーチファクトです。
甲状腺の嚢胞性結節では、濃縮したコロイドの結晶によって生じ、良性を示唆する所見とされます。
5:× ミラーイメージは、横隔膜のような強い反射面を鏡として、反対側に虚像が映る現象です。
肝臓の像が横隔膜の上に映るような所見で、図とは異なります。
【ポイント】
「後方が黒い=音響陰影」「後方が明るい=後方エコー増強」「尾を引く線状エコー=コメットエコー」と見え方で区別します。
胆嚢腺筋腫症でもコメットエコーがみられることがよく問われます。