8 歳の男児。
二分脊椎。
麻痺レベルはL 5。
装具なしでも歩行可能であるが、バランスを崩し不安定である。
歩行を安定させるため筋力増強運動を行う。
増強する筋で最優先するのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
第5腰髄(L5)レベルの二分脊椎では、股関節屈曲・内転筋や大腿四頭筋は保たれますが、仙髄支配の筋は弱くなります。
本例は装具なしで歩けるものの、バランスを崩しやすい状態です。
【選択肢別解説】
1:× 腸腰筋は主に上位腰髄(L1〜L3)支配で、L5レベルでは十分に機能しています。
歩行の側方の不安定性の主な原因ではないため、最優先ではありません。
2:× 大殿筋は主にL5〜S2支配で、L5レベルでは筋力がほとんど期待できません。
強化しても効果が出にくいため、最優先の対象にはなりません。
3:○ 中殿筋は上殿神経(L4〜S1)支配で、L5レベルでは筋力が残るものの弱くなりやすい筋です。
立脚期に骨盤を水平に保つ働きがあり、強化すると左右への動揺(Trendelenburg歩行)が減って歩行が安定します。
4:× 大腿四頭筋はL2〜L4支配で、L5レベルでは十分に機能しています。
膝の安定性はすでに保たれているため、最優先ではありません。
5:× 前脛骨筋はL4〜L5支配で、L5レベルでは比較的保たれています。
足関節の背屈は歩行に必要ですが、側方のバランスを安定させる効果は中殿筋より小さいです。
【ポイント】
二分脊椎のL5レベルでは、股関節伸展・外転と足関節底屈が弱く、動揺性の歩行になりやすいです。
残存する筋のうち、強化の効果が期待できる中殿筋を優先します。