正答3
解説
正解は3です。
強く閉眼しても左眼が閉じきらない兎眼は、眼輪筋の麻痺によるもので、左の顔面神経(第Ⅶ脳神経)麻痺を示します。
図の中から、同じ顔面神経の障害で生じる所見を選びます。
【選択肢別解説】
1:× 右方視で右眼は外転していますが、左眼が内転せず正中にとどまっています。
眼球の内転障害は動眼神経(内直筋)や内側縦束の障害で生じ、顔面神経とは関係しません。
2:× 普通に開眼したとき、左の上眼瞼が下がって瞼裂が狭くなっています(眼瞼下垂)。
眼瞼下垂は動眼神経(上眼瞼挙筋)や交感神経の障害で生じ、顔面神経麻痺では逆に瞼が閉じにくくなります。
3:○ 歯をむき出しにしたとき、左の口角が引けずに口が健側(右)へ引かれています。
口輪筋周囲の表情筋は顔面神経支配なので、兎眼と同じ左顔面神経麻痺の所見です。
4:× 「アー」と発声したとき、軟口蓋の挙上に左右差があり、口蓋垂と咽頭後壁が一側へ引かれています(カーテン徴候)。
これは舌咽神経・迷走神経の障害の所見です。
5:× 舌をまっすぐ出そうとすると、舌の先端が一側へ偏っています。
これは舌下神経(第Ⅻ脳神経)の障害の所見で、舌は麻痺側へ偏ります。
【ポイント】
顔面神経麻痺では、兎眼、額のしわ寄せ不能、鼻唇溝の消失、口角下垂、味覚障害(舌の前2/3)などがみられます。
額のしわ寄せができなければ末梢性、額のしわ寄せが保たれていれば中枢性の顔面神経麻痺を考えます。