治療前後の心電図(別冊No. 1)を別に示す。
治療の作用として正しいのはどれか。
正答5
解説
正解は5です。
治療前後の心電図を比べると、R-R間隔は太い升目(0.2秒)で約3つ分(約0.6秒)から約4つ分(約0.8秒)に延び、心拍数が減っています。
QRS波の始まりからT波の終わりまでのQT時間も、治療後に延長しています。
一方、PR間隔とQRS幅には大きな変化がありません。
QT時間は心室筋の活動電位の持続時間を反映するため、活動電位持続時間を延長させる作用(Ⅲ群抗不整脈薬などの作用)と判断できます。
【選択肢別解説】
1:× 活動電位持続時間が延びると、不応期は短縮ではなく延長します。
不応期の延長が、Ⅲ群抗不整脈薬が不整脈を抑える機序です。
2:× 心収縮力の増強は強心薬(ジギタリスなど)の作用です。
心電図から収縮力は直接判断できず、本図にはジギタリスでみられる盆状のST低下もみられません。
3:× 房室間の伝導を抑制するとPR間隔が延長します。
本図ではPR間隔はほぼ変わっていません。
4:× 洞房結節の脱分極を促すと心拍数は増加します。
本図では治療後に心拍数が減少しています。
5:○ QT時間の延長は、心室筋の活動電位持続時間の延長を示します。
治療後の心電図でQT時間が延びていることが根拠です。
【ポイント】
心電図の時間成分は、PR間隔が房室伝導、QRS幅が心室内伝導、QT時間が心室の活動電位持続時間に対応します。
QT時間が過度に延長すると致死的不整脈(トルサード・ド・ポアンツ)の危険があります。