87 歳の女性。
転倒して左股関節痛を訴え、入院となった。
受傷後2日目に後方侵入法で手術を受けた。
術後のエックス線写真(別冊No. 3)を別に示す。
正しいのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
エックス線写真では、左大腿骨に人工骨頭のステムが挿入され、骨頭部が人工物に置換されています。
寛骨臼側にはカップがないため、大腿骨頸部骨折に対する人工骨頭置換術と判断できます。
後方侵入法では後方の関節包や短外旋筋群を切離するため、屈曲・内転・内旋の組合せで後方脱臼が起こりやすくなります。
【選択肢別解説】
1:× 内転位は後方脱臼を招く肢位です。
臥床時は外転枕などで股関節を軽度外転位に保ちます。
2:○ 外旋位で靴下を着脱すると、脱臼肢位である内旋・内転を避けられます。
後方侵入法の生活指導として適切です。
3:× 大腿四頭筋セッティングは関節を動かさない等尺性運動で、術後翌日から開始します。
1週まで待つ必要はありません。
4:× 中殿筋の筋力練習も等尺性運動などから術後早期に開始します。
2週まで遅らせる理由はありません。
5:× 人工骨頭置換術は術後早期から全荷重が許可されることが多い術式です。
3か月の免荷は廃用を進めるため不適切です。
【ポイント】
後方侵入法の脱臼肢位は「屈曲・内転・内旋」、前方侵入法は「伸展・内転・外旋」です。
高齢者の頸部骨折術後は、早期離床と早期荷重で廃用を防ぐことが最優先です。