78 歳の女性。
自宅玄関で転倒してから起立歩行不能となり救急搬送された。
来院時の単純エックス線画像(別冊No. 2)を別に示す。
最も考えられるのはどれか。
正答5
解説
正解は5です。
高齢者の転倒による起立歩行不能では、大腿骨近位部骨折をまず考えます。
骨折線が大腿骨のどこにあるかで、頸部骨折と転子部骨折などを区別します。
【選択肢別解説】
1:× 股関節脱臼では、大腿骨頭が寛骨臼から外れた像になります。
画像では骨頭は寛骨臼の中に収まっており、脱臼はありません。
2:× 大腿骨頸部骨折では、骨頭と転子部の間の細い頸部に骨折線が入ります。
画像の骨折線は頸部よりも遠位の転子部にあります。
3:× 大腿骨骨頭骨折は骨頭自体の骨折で、多くは股関節脱臼に合併します。
画像では骨頭の輪郭は保たれています。
4:× 大腿骨転子下骨折は、小転子より遠位の骨幹部近位の骨折です。
画像の骨折は小転子の高さより近位にあります。
5:○ 画像では大転子から小転子にかけて斜めの骨折線があります。
大転子の周囲には骨片の不整もあり、大腿骨転子部骨折の所見です。
【ポイント】
頸部骨折は関節包内で血流が乏しく、骨癒合しにくく骨頭壊死が起こりやすい骨折です。
転子部骨折は関節包外で血流が豊富なため骨癒合しやすい一方、出血量が多くなります。