60歳の女性。
脊髄小脳変性症。
四肢体幹の運動失調で座位保持が困難であったが、2週間の座位保持練習を行い、端座位は上肢で支持しなくても保持できるようになった。
今後行うバランス能力改善の運動療法として最も適切なのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
脊髄小脳変性症では、小脳性の運動失調によりバランスが障害されます。
本例は、上肢の支えなしで端座位を保持できる段階になったところです。
次の段階では、同じ座位のまま重心を動かす練習を行い、少しずつ難易度を上げます。
【選択肢別解説】
1:× 図1はセラピーボールの上に座り、両上肢を横に広げたまま片側の下肢を床から挙げています。
支持面が不安定なうえ支持基底面も狭く、端座位がやっと安定した段階には難しすぎます。
2:× 図2は端座位からの立ち上がり練習です。
座位での重心移動が十分にできない段階では、前方への大きな重心移動に対応できず、転倒の危険があります。
3:○ 図3は端座位で両上肢を横に広げ、体幹を傾けて左右に重心を移しています。
獲得した静的な座位保持から、座位での動的バランスへ進む課題として適切です。
4:× 図4は片膝立ち位で上肢を挙げています。
片膝立ちは座位より支持基底面が狭く重心も高いため、現段階では難易度が高すぎます。
5:× 図5は立位で、不安定板の上に片脚で荷重しています。
立位の課題であり、さらに不安定な支持面を使うため、座位保持を獲得したばかりの段階には適しません。
【ポイント】
運動失調のバランス練習は、支持基底面が広く重心の低い姿勢から始めます。
静的な保持から動的な重心移動へ進み、座位、膝立ち、立位の順に難易度を上げます。