27歳の男性。
脊髄完全損傷(第5胸髄節まで機能残存)。
日常生活は車椅子使用にて自立している。
設計事務所に勤務しており、長時間のデスクワークを行うことが多い。
多忙のため除圧を行う機会が少なくなっている。
この状況が続いた場合、褥瘡が生じる可能性が最も高い部位はどれか。
正答3
解説
正解は3です。
第5胸髄節まで機能が残る完全損傷では、損傷高位以下の感覚が失われ、圧迫による痛みを感じません。
車椅子に長時間座ると、体重は骨盤の後面に集中します。
骨盤が後傾した座り方では仙骨部に、骨盤を起こした座り方では坐骨結節部に圧がかかります。
【選択肢別解説】
1:× 肩甲部は背臥位で圧迫を受ける部位です。
座位で背もたれに寄りかかっても、体重の大部分はかかりません。
2:× 膝窩部は座位でシートの前縁に触れることはありますが、体重がかかる部位ではありません。
3:○ 長時間の車椅子座位では骨盤が後傾しやすく、仙骨部に体重と、ずれの力が集中します。
感覚がなく除圧が少ない状況では、選択肢の中で最も褥瘡が生じやすい部位です。
4:× 肘頭部はアームレストに肘を置くと当たりますが、体重がかかる部位ではありません。
5:× 腸骨部(腸骨稜)は側臥位で圧迫を受ける部位です。
座位では体重がかかりません。
【ポイント】
車椅子座位の褥瘡好発部位は、坐骨結節部・仙骨部・尾骨部です。
脊髄損傷者には、15〜30分ごとのプッシュアップや前傾による除圧を習慣づけることが重要です。