人工呼吸器のモニターに示される気道内圧と肺気量位を図に示す。
理学療法前後で図のような変化が見られた場合、呼吸器系に生じた変化として考えられるのはどれか。
ただし、対象者の自発呼吸はなく、人工呼吸器による陽圧変化のみにより肺気量位が変化しているものとする。
正答5
解説
正解は5です。
図では理学療法の前後で気道内圧の波形はほぼ同じで、最高約12cmH2Oです。
一方、肺気量の変化は前が約0.2L、後が約0.4Lに増えています。
同じ圧で2倍の容量が入るようになったことを意味します。
【選択肢別解説】
1:× 肺活量は最大吸気位から最大呼気をしたときの量で、自発呼吸による努力が必要です。
自発呼吸のない陽圧換気中の図からは肺活量の変化は判断できません。
2:× 残気量は最大呼気後に肺に残る量です。
図に示されているのは1回の換気量の変化であり、残気量が減ったとは読み取れません。
3:× 気道抵抗が増加すると、同じ換気量を送るのに必要な圧が高くなります。
図では圧は変わらずに換気量が増えており、気道抵抗の増加とは逆の変化です。
4:× 胸郭の柔軟性が低下すると、同じ圧で入る容量は減ります。
図の変化とは逆です。
5:○ 肺コンプライアンスは「容量の変化÷圧の変化」で表される膨らみやすさの指標です。
同じ約12cmH2Oの圧で換気量が約0.2Lから約0.4Lに増えたので、コンプライアンスは増加したと考えられます。
【ポイント】
従圧式の換気で同じ設定圧のまま換気量が増えれば、肺と胸郭が膨らみやすくなったことを示します。
排痰や胸郭の可動性改善などの呼吸理学療法の効果判定に、人工呼吸器のモニターが利用できます。