26歳の男性。
20歳ころから乗り物のつり革を握ると放しにくいことを自覚し始め、四肢遠位筋優位の筋力低下を自覚するようになった。
母親にも同様の症状がある。
前頭部に脱毛があり、側頭筋や咬筋が萎縮し、顔の幅が狭く頬がこけた顔貌をしている。
認められる可能性が高いのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
母親にも同様の症状がある常染色体優性遺伝の家族歴、四肢遠位筋優位の筋力低下、前頭部の脱毛、側頭筋や咬筋の萎縮による斧様顔貌がそろっています。
これらは筋強直性ジストロフィーの特徴です。
つり革を握ると放しにくいという訴えは、筋収縮後に弛緩が遅れる現象を示しています。
【選択肢別解説】
1:× アテトーゼはゆっくりとくねるような不随意運動で、大脳基底核の障害やアテトーゼ型脳性麻痺でみられます。
筋強直性ジストロフィーの症状ではありません。
2:× Gowers徴候は、近位筋の筋力低下のため手を膝について体をよじ登るように立ち上がる現象です。
Duchenne型筋ジストロフィーなど近位筋優位の疾患でみられ、遠位筋優位の本症例には合いません。
3:○ ミオトニア(筋強直現象)は、筋を強く収縮させた後に速やかに弛緩できない現象です。
握った手を開きにくい把握ミオトニアは筋強直性ジストロフィーに特徴的で、本症例の訴えと一致します。
4:× Lhermitte徴候は頸部を前屈すると背部から四肢に電撃様の痛みが走る現象で、多発性硬化症や頸髄病変でみられます。
5:× Romberg徴候は閉眼すると立位でのふらつきが増す現象で、脊髄後索障害など深部感覚障害でみられます。
【ポイント】
筋強直性ジストロフィーは成人で最も多い筋ジストロフィーです。
遠位筋優位の筋力低下、ミオトニア、斧様顔貌、前頭部脱毛のほか、白内障や耐糖能異常、心伝導障害などの多臓器障害を伴います。