25 歳の女性。
交通事故で頸椎脱臼骨折を受傷した。
脊髄ショック期は脱したと考えられる。
MMT で、肘屈曲は徒手抵抗に抗する運動が可能であったが、手関節背屈は抗重力位での保持が困難であった。
肛門の随意的収縮は不能で、肛門周囲の感覚も脱失していた。
目標とする動作で適切なのはどれか。
正答1
解説
正解は1です。
肘屈曲(上腕二頭筋、C5)は徒手抵抗に抗して動かせますが、手関節背屈(橈側手根伸筋、C6)は重力に抗して保持できません。
そのため、機能残存レベルはC5と判断します。
肛門の随意収縮も肛門周囲の感覚もないので、仙髄回避のない完全損傷(ASIA分類A)です。
C5完全損傷で目標とする動作を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:○ C5レベルでは三角筋と上腕二頭筋が働きます。
ベッド柵や輪にした紐に前腕を掛けて引く方法や電動ベッドを使えば、起き上がりを目標にできます。
公式正答もこの動作を目標としています。
2:× 自動車運転には手関節背屈を用いたハンドル操作が必要で、目安はC6以下です。
C5では難しいとされます。
3:× 側方移乗は、上肢で体を押し上げて移る動作で、肘伸展(上腕三頭筋、C7)がほぼ必要です。
C5では介助が必要です。
4:× 電動車椅子操作は、C5レベルでも手で操作するレバーで自立が可能とされることが多い動作です。
ただし本問の公式正答では、目標とする動作として起き上がりが選ばれています。
5:× トイレ移乗は、側方移乗に加えて立位での向きの変更や衣服の操作が加わる難しい動作です。
C5完全損傷では自立は困難です。
【ポイント】
C5では肘屈曲が、C6では手関節背屈が、C7では肘伸展が使えるようになります。
移乗の自立はC6後半からC7、自動車運転はC6以下が目安です。