K 透析クリニックに勤務する管理栄養士である。
患者は、68歳、男性。
15年前から高血圧症と CKD で通院加療し、食事療法を続けてきたが、病態が悪化してきたため当クリニックに転院し、週3回の血液透析に移行した。
身長 165 cm、 ドライウェイ ト 65 kg、 標準体重 60 kg。
尿量 300 mL/日。
血圧 170/95 mmHg。
透析開始前の血液検査値は、総たんぱく質 6.8 g/dL、アルブミン 3.3 g/dL、尿素窒素 86 mg/dL、クレアチニン 8.6 mg/dL、ナトリウム 140 mEq/L、 カリウム 5.2 mEq/L、リン 4.8 mg/dL、HbA1c 5.5%。
血液透析導入1か月後に、2回目の栄養食事指導を行った。
患者は、食事メモを持参した(表)。
患者への助言として、最も適切なのはどれか。
1つ選べ。
表 食事メモ
朝食:ご飯(160 g)、卵焼き(卵1/2個)、焼きなす(なす1本)、紅白なます(小鉢1杯)、りんご(1/4個)
昼食:天丼(ご飯200 g、きす2尾、えび3本、かぼちゃ1切)、こまつなと油揚げの煮びたし(小鉢1杯)
夕食:ご飯(200 g)、つくねの甘だれ焼き(100 g)、じゃがいもの煮物(小鉢1杯)、揚げ出し豆腐(100 g)、山芋のすりおろし(小鉢1杯)
正答4
解説
正解は4です。
血液透析導入1か月後の食事メモから、カリウムやリン、エネルギーの面で改善すべき点を探します。
導入時のカリウムは5.2mEq/Lとやや高く、カリウムを多く含む食品の重なりに注意が必要です。
【選択肢別解説】
1:× 牛乳はリンとカリウムを多く含みます。
透析患者に積極的に加えると、高リン血症や高カリウム血症の原因になるため適切ではありません。
2:× 野菜のかき揚げにすると、野菜からのカリウムが増えます。
また、きすやえびのたんぱく質がなくなり、たんぱく質の確保の面でも適切ではありません。
3:× 揚げ出し豆腐の揚げ油は、透析患者に必要なエネルギーを確保するのに役立ちます。
湯豆腐に替えるとエネルギーが減るため、変更する必要はありません。
4:○ 夕食には、じゃがいもの煮物と山芋のすりおろしの2品のいも料理があります。
いも類はカリウムを多く含み、山芋はすりおろして生で食べるためゆでこぼしでカリウムを減らすこともできません。
いも料理を1品に減らすことで、カリウムの摂取量を抑えられます。
【ポイント】
透析患者のカリウム対策では、いも類・野菜・果物・豆類の量に注意し、ゆでこぼしや水さらしでカリウムを減らします。
エネルギーは油脂や砂糖を上手に使って確保します。