K リハビリテーション病院に勤務する管理栄養士である。
患者は、67歳、女性。
夫は他界しており、娘家族と同居。
健診で、高血圧症を指摘されていた。
アテローム血栓性脳梗塞の発症後、急性期病院での治療を経て、右片麻痺に対する運動機能リハビリテーションのために当院へ転院してきた。
軽度嚥下障害があるが、 軟菜食と液体にはとろみを付けることで対応できている。
脳梗塞の発症前は、身長 156 cm、体重 63 kg、BMI 25.9 kg/m2。
食事は、娘が準備しており、間食に自分で買ってきたみたらし団子をよく食べていた。
転院時は、体重 55 kg、BMI 22.6 kg/m2。
血圧 120/62 mmHg。
血清アルブミン値 3.2 g/dL、eGFR 92 mL/分/1.73 m2。
安静時エネルギー消費量 1,100 kcal/日。
その後、食欲は徐々に回復し、リハビリも順調に進んだ。
1か月後、外来通院できることが確認できたため退院となり、退院後の食事内容について栄養食事指導を行うことになった。
入院中は、日本摂食嚥下リハビリテーション学会の嚥下調整食分類 2021のコード4(嚥下調整食4)の基準に合わせて、食事を提供していた。
患者と家族に示す献立(料理)例として、最も適切なのはどれか。
1つ選べ。
正答2
解説
正解は2です。
嚥下調整食分類2021のコード4(嚥下調整食4)は、硬さ・ばらけやすさ・貼りつきやすさなどがなく、箸やスプーンで切れる軟らかさの食事です。
歯がなくても歯ぐきでつぶせる程度で、誤嚥や窒息のリスクがある食品は避けます。
また、この患者は液体にとろみを付けることが必要です。
【選択肢別解説】
1:× 全粥ペーストのゼリーは、コード1j〜2程度にあたる、より段階の低い食形態です。
コード4で対応できている患者には形態を下げすぎであり、退院後の献立例として適切ではありません。
2:○ 全粥、軟らかい煮魚、軟らかく煮た鶏団子と里芋・人参、銀あんをかけたふろふき大根は、いずれも歯ぐきでつぶせる軟らかさです。
あんでまとまりやすくする工夫もあり、熟したバナナも軟らかく、コード4の基準に合っています。
3:× コーンは皮が口に残りやすく、生のキャベツは硬くてばらけやすい食品です。
みかんの薄皮も咀嚼しにくく、誤嚥や窒息の原因となるため、コード4の献立として適切ではありません。
4:× 生のきゅうりは硬くてばらけやすく、春雨はつるっと滑って咽頭に入りやすい食品です。
みたらし団子は粘りが強く、窒息の危険があります。
味噌汁もとろみが付いておらず、液体にとろみが必要なこの患者には適しません。
【ポイント】
嚥下調整食は、コード0(訓練用)、1j、2、3、4の順に、普通食に近い形態になります。
コード4では、硬いもの、ばらけるもの、粘りが強いもの、皮や繊維の多いものを避けます。