K リハビリテーション病院に勤務する管理栄養士である。
患者は、67歳、女性。
夫は他界しており、娘家族と同居。
健診で、高血圧症を指摘されていた。
アテローム血栓性脳梗塞の発症後、急性期病院での治療を経て、右片麻痺に対する運動機能リハビリテーションのために当院へ転院してきた。
軽度嚥下障害があるが、 軟菜食と液体にはとろみを付けることで対応できている。
脳梗塞の発症前は、身長 156 cm、体重 63 kg、BMI 25.9 kg/m2。
食事は、娘が準備しており、間食に自分で買ってきたみたらし団子をよく食べていた。
転院時は、体重 55 kg、BMI 22.6 kg/m2。
血圧 120/62 mmHg。
血清アルブミン値 3.2 g/dL、eGFR 92 mL/分/1.73 m2。
安静時エネルギー消費量 1,100 kcal/日。
リハビリを開始して1週間が経過すると、運動はできているが食欲が低下し、約700 kcal/日しか摂取できなくなった。
リハビリは継続する予定であるが、食欲回復には2週間以上要することを想定して、新たに栄養管理計画を作成することにした。
不足分を補うための栄養投与法として、最も適切なのはどれか。
1つ選べ。
正答2
解説
正解は2です。
リハビリ中の患者の食欲が低下し、約700kcal/日しか摂取できていません。
必要量(約1,700kcal/日)との差は約1,000kcal/日と大きく、食欲の回復には2週間以上かかると想定されています。
消化管は使えるため、経腸栄養法を優先します。
【選択肢別解説】
1:× 経口栄養補助食品は、少量で効率よく栄養を補える方法です。
しかし、食欲が低下している患者が、通常の食事に加えて約1,000kcal分を口から追加でとることは困難です。
2:○ 消化管が機能しており、経口摂取だけでは必要量を満たせない状態が2週間以上続く見込みです。
短期間(4週間程度まで)の経腸栄養には、経鼻胃管栄養法が適しています。
不足分を確実に補え、リハビリも継続できます。
3:× 末梢静脈栄養法で投与できるエネルギーは限られており、約1,000kcal/日の不足を補うことは難しいです。
また、消化管が使える場合は、静脈栄養よりも経腸栄養を優先します。
4:× 中心静脈栄養法は、消化管が使えない場合に選択する方法です。
カテーテル感染などの合併症のリスクもあり、この患者には適しません。
【ポイント】
栄養投与法は「腸が使えるなら腸を使う」が原則です。
経腸栄養が4週間以上に及ぶ見込みの場合は、経鼻胃管ではなく胃瘻などを検討します。