K 大学に勤務する、管理栄養士の資格を持つ教員である。
K 大学では、不定愁訴を有する学生が多く、学生の朝食摂取状況を把握することになった。
学生 1,000人 (家族と同居の学生 500人と一人暮らしの学生 500人)に対して自記式質問紙調査を実施した。
調査の結果、1,000人中 400人が朝食を欠食していることが明らかとなった。
表は、居住形態別に、朝食欠食の理由をまとめたものである。
表 朝食欠食の理由(複数回答)
人数:全員 400人/家族と同居の学生 100人/一人暮らしの学生 300人
食欲がない:全員 214人(53.5%)/家族と同居の学生 52人(52.0%)/一人暮らしの学生 162人(54.0%)
食べる必要性を感じない:全員 199人(49.8%)/家族と同居の学生 50人(50.0%)/一人暮らしの学生 149人(49.7%)
ダイエットのため:全員 166人(41.5%)/家族と同居の学生 68人(68.0%)/一人暮らしの学生 98人(32.7%)
準備するのが面倒:全員 241人(60.3%)/家族と同居の学生 10人(10.0%)/一人暮らしの学生 231人(77.0%)
お金の節約のため:全員 226人(56.5%)/家族と同居の学生 25人(25.0%)/一人暮らしの学生 201人(67.0%)
調査結果を踏まえて、より多くの学生が朝食を摂取するための方法を検討した。
朝食摂取の自己効力感の向上を目的とした栄養教育の対象者と、その内容に関する記述である。
最も適切なのはどれか。
1つ選べ。
正答3
解説
正解は3です。
朝食欠食者400人のうち300人が一人暮らしの学生で、その77.0%が「準備するのが面倒」、67.0%が「お金の節約のため」を理由にしています。
より多くの学生に朝食をとってもらうには、欠食者の多い一人暮らしの学生を対象にするのが効果的です。
自己効力感は「自分にもできる」という見込みのことで、似た立場の人の成功体験を見聞きする代理的経験によって高まります。
【選択肢別解説】
1:× 欠食の健康への悪影響を伝えるのは、問題の重大さを認識させる働きかけです。
自己効力感を高める方法ではなく、対象も欠食者の少ない家族と同居の学生です。
2:× 朝食を食べてダイエットに成功した話は、朝食をとると良い結果になるという結果期待に働きかけるものです。
対象も欠食者の少ない家族と同居の学生であり、より多くの学生への働きかけになりません。
3:○ 一人暮らしで欠食していた学生が、朝食を毎日食べられるようになった工夫を話すのは代理的経験です。
準備が面倒という同じ悩みをもつ多数の学生に「自分にもできそう」と思わせられるので、最も適切です。
4:× 健康的になった自分を想像させるのは、行動を変えた結果への期待を高める働きかけです。
朝食を準備して食べられるという自己効力感を直接高める方法ではありません。
【ポイント】
自己効力感を高める方法には、成功体験、代理的経験、言語的説得、生理的・情動的状態の4つがあります。
対象者の選定では、問題を抱える人が最も多い集団を優先すると、より大きな効果が期待できます。