K 病院に勤務する管理栄養士である。
患者は、58歳、男性。
COPD で、3年前より吸入薬を使用していた。
風邪がきっかけで呼吸困難となり救急搬送された。
入院後、気管支拡張薬、ステロイド薬が投与され、酸素療法を行っている。
入院時、身長 170 cm、体重 50 kg、BMI 17.3 kg/m²。
血圧 132/90 mmHg、心拍数 135回/分、血清アルブミン値 3.8 g/dL、安静時エネルギー消費量 1,440 kcal/日。
入院 1日目は呼吸苦や腹部膨満感により食事を摂取できなかった。
入院 2日目に、静脈栄養法と併せて、経口摂取による栄養補給を行った。
用いる栄養補助食品である。
最も適切なのはどれか。
1つ選べ。
正答2
解説
正解は2です。
入院1日目は、呼吸苦と腹部膨満感で食事がとれませんでした。
事例文の「呼吸苦」「腹部膨満感」から、少量で多くのエネルギーがとれる補助食品が適しています。
【選択肢別解説】
1:× 9 kcal/150 gのゼリーは、エネルギーがほとんどありません。
嚥下訓練や水分補給用の食品で、嚥下障害のないこの患者のエネルギー補給には適しません。
2:○ MCT含有ゼリーは200 kcal/80 gで、少量で高エネルギーをとれます。
MCT(中鎖脂肪酸)は消化吸収が速く、すばやくエネルギー源になります。
量が少ないので腹部膨満を起こしにくく、呼吸への負担も小さくて済みます。
3:× 低リンミルクは、腎臓病などでリンを制限する必要がある患者向けの食品です。
この患者にリン制限の必要はなく、エネルギー密度も0.9 kcal/mLと低めです。
4:× 低カリウムミルクは、腎臓病などでカリウムを制限する必要がある患者向けの食品です。
この患者にカリウム制限の必要はなく、量の割にエネルギーが少なくなります。
【ポイント】
COPD患者では、腹部膨満が横隔膜の動きを妨げて呼吸困難を悪化させます。
少量・高エネルギーの補助食品や、MCTを活用した栄養補給が有効です。