K 総合病院に勤務する管理栄養士である。
患者は、18歳、男性、大学生。
身長 172 cm、体重 63 kg、BMI 21.3 kg/m2。
1か月前から腹痛、下痢があり、近医では胃腸炎の疑いとして投薬されていたが、症状は軽快しなかった。
1週間前あたりから、腹痛が増強、38℃ 程度の発熱があり、朝から数回の嘔吐、少量の下血もあったため、当院の救急外来を受診、イレウス状態であり入院した。
精査の結果、クローン病と診断され、数週間の内科的治療が奏効して、寛解状態になった。
1日 600 kcal の食事と成分栄養剤を併用した栄養療法を開始することになった。
エネルギー 600 kcal、たんぱく質 30 g、脂質 10 g の食事を構成するための、たんぱく質源となる食品の目安である。
最も適切なのはどれか。
1つ選べ。
正答1
解説
正解は1です。
寛解期のクローン病患者に対する食事(600 kcal、たんぱく質30 g、脂質10 g)で、たんぱく質源となる食品の組合せを問う問題です。
クローン病では、脂質の多い食事が再燃の原因になりやすいため、低脂肪の食品を選ぶことが重要です。
脂質10 gには、主食や調味料に含まれる脂質も入る点に注意します。
【計算】
選択肢1の脂質の目安=白身魚50 g(約0.1 g)+鶏肉(皮なし)30 g(約0.5 g)+鶏卵30 g(約3 g)+豆腐50 g(約2.5 g)=約6 g
選択肢3の脂質の目安=鶏卵60 g(約6 g)+豆腐50 g(約2.5 g)+普通牛乳100 g(約3.8 g)=約12 g以上
選択肢4の脂質の目安=鶏卵60 g(約6 g)+豆腐100 g(約5 g)+鶏肉(皮なし)50 g(約1 g)=約12 g
【選択肢別解説】
1:○ 白身魚と皮なし鶏肉は脂質がごく少なく、たんぱく質を効率よくとれます。
4品の脂質は合計約6 gで、主食などの脂質を加えても10 g以内に収まります。
2:× 青魚は白身魚に比べて脂質が多く、例えばさば50 gには約8 gの脂質が含まれます。
鶏卵や豆腐の脂質(約5.5 g)と合わせると、たんぱく質源だけで脂質10 gを超えてしまいます。
3:× 鶏卵60 gと普通牛乳100 gで脂質が多くなり、たんぱく質源だけで脂質10 gを超えます。
4:× 鶏卵60 gと豆腐100 gで脂質が約11 gとなり、たんぱく質源だけで脂質10 gを超えます。
【ポイント】
クローン病の寛解期は、低脂肪・低残渣を基本に、成分栄養剤を併用します。
脂質を抑えるには、白身魚や皮なし鶏肉が使いやすい食品です。