K 総合病院に勤務する管理栄養士である。
外来患者の栄養食事指導を行っている。
患者は、70歳、男性。
歩行時の呼吸困難感を主訴に来院した。
精査の結果、中等度に進行した COPD(慢性閉塞性肺疾患)と診断された。
食欲が低下し、この半年間で 5 kg やせた。
20歳から現在まで、40本/日の喫煙歴がある。
身長 160 cm、標準体重 56.3 kg、体重 44 kg。
空腹時血液検査値は、アルブミン3.7 g/dL、尿素窒素 16 mg/dL、クレアチニン 0.5 mg/dL。
基礎代謝量 1,050 kcal/日、 間接熱量計を用いて測定した安静時エネルギー消費量 1,400 kcal/日。
患者の栄養アセスメントとして、最も適当なのはどれか。
1つ選べ。
正答4
解説
正解は4です。
患者は半年で5kg減少し、体重44kgは標準体重56.3kgの約78%です。
一方、血清アルブミンは3.7g/dLと大きく低下していません。
体重は減っているのにアルブミンが保たれている点が、判断の根拠です。
【選択肢別解説】
1:× 体重が大きく減っているので、体脂肪も減少しています。
上腕三頭筋皮下脂肪厚は高値ではなく低値と考えられます。
2:× COPDでは呼吸筋などの筋たんぱく質が分解され、筋肉量が減ります。
除脂肪体重は増加ではなく減少しています。
3:× クワシオルコル型は、たんぱく質の不足が主体で、低アルブミン血症や浮腫がみられます。
本例はアルブミンが保たれているので、クワシオルコル型ではありません。
4:○ マラスムス型は、エネルギーの不足が主体で、体重・脂肪・筋肉が全体に減ります。
著しいやせがあり、アルブミンが比較的保たれている本例はマラスムス型に当たります。
5:× 安静時エネルギー消費量1,400kcal/日は、基礎代謝量1,050kcal/日の約1.3倍です。
呼吸に使うエネルギーが増えているため、エネルギー代謝は亢進しています。
【ポイント】
COPDでは、呼吸筋の仕事量の増加や炎症によりエネルギー消費が増え、マラスムス型の栄養障害が多くみられます。
%標準体重が80%未満であれば、中等度以上の栄養障害と判断します。