ある地域の 40歳以上の男性を対象としたコホート研究において、喫煙群と非喫煙群を各々 20万人年観察し、疾患 A、B の罹患者の人数を調査した結果を表にまとめた。
喫煙と疾患 A および疾患 B との関連に関する記述である。
正しいのはどれか。
2つ選べ。
表 喫煙の有無別にみた疾患 A および疾患 B の罹患者数(人)
疾患 A:喫煙群 600/非喫煙群 60
疾患 B:喫煙群 1,200/非喫煙群 600
正答
解説
本問は採点除外(厚生労働省により採点除外(正解なし・全員正解等))です。
2つ選ぶ問題で、計算上は選択肢1と5の内容が正しく読めます。
ただし、寄与危険は曝露(喫煙)によって増えた罹患率を表す指標で、「禁煙による寄与危険」という用い方は通常しません。
この表現の適否で判断が割れ、正解を2つに定められなかったことが除外の理由と考えられます。
【計算】
罹患率=罹患者数÷観察人年です。
疾患Aの罹患率:喫煙群600÷20万人年=300/10万人年、非喫煙群60÷20万人年=30/10万人年です。
疾患Bの罹患率:喫煙群1,200÷20万人年=600/10万人年、非喫煙群600÷20万人年=300/10万人年です。
相対危険:疾患Aは300÷30=10、疾患Bは600÷300=2です。
寄与危険:疾患Aは300-30=270/10万人年、疾患Bは600-300=300/10万人年です。
【選択肢別解説】
1:○ 4万人×5年と5万人×4年は、どちらも20万人年で同じです。
観察人年は対象者数と観察期間を掛けた値だからです。
2:× 疾患Aの相対危険は、0.10ではなく10です。
喫煙群の罹患率を非喫煙群の罹患率で割って求めます。
3:× 相対危険は、疾患Aが10、疾患Bが2なので、疾患Aの方が大きくなります。
4:× 喫煙群の罹患者数は、疾患Aの600人より疾患Bの1,200人の方が多くなっています。
5:△ 喫煙の寄与危険と読めば、疾患B(300)が疾患A(270)より大きく、内容は正しくなります。
しかし「禁煙による寄与危険」という表現は不適切であり、正しいと判定してよいかが割れます。
【ポイント】
相対危険は罹患率の比で、関連の強さ(病因としての強さ)を表します。
寄与危険は罹患率の差で、曝露をなくしたときに減らせる患者数(公衆衛生上の重要性)を表します。