K 介護老人福祉施設に勤務する管理栄養士である。
認知症高齢者における栄養改善を図るために、食事支援を行っている。
利用者は、85歳、女性。
5年前に認知症を発症し、施設入所した。
6か月間で体重が 2.5 kg 減少している。
座位保持は可能であり、上肢に麻痺や拘縮はない。
食事は普通食を自力摂取しているが、摂取率は約50% である。
食事中に、ぼんやりしていることが多い。
身長 142 cm、体重 35 kg、BMI 17.4 kg/m 2。
本症例の食事中の行動について、認知症症例への食事支援という観点から、優先的に観察すべき行動である。
最も適切なのはどれか。
1つ選べ。
正答1
解説
正解は1です。
この利用者は認知症があり、6か月で2.5 kg体重が減り、BMI 17.4 kg/m²と低栄養の状態です。
座位を保て、上肢の麻痺もなく普通食を自力で食べられるのに、摂取率は約50%にとどまり、食事中にぼんやりしています。
身体機能よりも、認知機能の低下による食事行動の障害を確認する必要があります。
【選択肢別解説】
1:○ 認知症では、目の前の物を食べ物と認識できない、食べ方がわからないなどの理由で、自分から食べ始められないことがあります。
ぼんやりしている様子や摂取率の低下に直結するため、優先的に観察すべき行動です。
2:× 食べこぼしは、上肢の運動機能や食具の使い方の問題で起こることが多い行動です。
この利用者は上肢の麻痺や拘縮がないため、優先して観察する行動ではありません。
3:× 食べたことを忘れて再び食べたがるのは、記憶障害による行動です。
摂取量の不足とは逆向きの問題であり、この症例で優先して観察する行動ではありません。
4:× 食事への不満は、嗜好や献立の満足度に関わる情報です。
ぼんやりして食が進まない状態の原因を探るうえでは、優先度が低くなります。
【ポイント】
認知症の食事の問題には、食べ始められない、途中で手が止まる、食べ物と認識できないなどがあります。
身体機能に問題がない場合は、認知機能の面から食事行動を観察しましょう。