食品たんぱく質の栄養価を比較するために、「日本食品標準成分表準拠アミノ酸成分表 2010」を用いて、小麦(薄力粉 1等)、そば(全層粉)、とうもろこし(コーングリッツ)のたんぱく質について、アミノ酸組成(mg/g たんぱく質)を調べ、「FAO/ WHO/UNU(2007年)のアミノ酸評点パターン」と比較した(表 1 )。
表1 日本食品標準成分表準拠アミノ酸成分表 2010 抜粋(単位:mg/g たんぱく質)
アミノ酸:食品A/食品B/食品C/アミノ酸評点パターン(FAO/WHO/UNU 2007年)
ヒスチジン:26/34/32/18
イソロイシン:41/43/44/31
ロイシン:80/170/79/63
リシン:25/20/70/52
含硫アミノ酸:50/55/53/26
芳香族アミノ酸:92/100/84/46
トレオニン:32/35/46/27
トリプトファン:14/5.8/19/7.4
バリン:49/52/61/42
3つの食品たんぱく質の栄養に関する記述である。
正しいのはどれか。
1つ選べ。
正答5
解説
正解は5です。
表1から各食品のアミノ酸価と第1制限アミノ酸を求め、トリプトファンからのナイアシン生成量を比較する問題です。
アミノ酸価は、各必須アミノ酸の含量を評点パターンの値で割った割合のうち、最も低いものです。
【計算】
A:リシン25÷52×100=約48で最も低く、アミノ酸価は48、第1制限アミノ酸はリシンです。
B:リシン20÷52×100=約38、トリプトファン5.8÷7.4×100=約78です。
Bはリシンが最も低いので、アミノ酸価は38、第1制限アミノ酸はリシン、第2制限アミノ酸はトリプトファンです。
C:リシン70÷52×100=約135で、すべてのアミノ酸が評点パターン以上なので、アミノ酸価は100です。
ナイアシンはトリプトファン60 mgから1 mg生成されます。
A:14÷60=約0.23 mg、B:5.8÷60=約0.10 mg、C:19÷60=約0.32 mgです。
【選択肢別解説】
1:× Aのアミノ酸価は48、Cのアミノ酸価は100です。
AはCより高いのではなく低くなります。
2:× Aはリシンを添加すると栄養価が高まります。
リシンがAの第1制限アミノ酸なので、補うとアミノ酸価が上がるためです。
3:× Bの第1制限アミノ酸は、トリプトファンではなくリシンです。
評点パターンに対する割合はリシンが約38%、トリプトファンが約78%で、リシンのほうが低いためです。
4:× たんぱく質1 g当たりのナイアシン生成量は、BよりCの方が少ないのではなく多くなります。
トリプトファン含量がBは5.8 mg、Cは19 mgで、Cのほうが多いためです。
5:○ たんぱく質1 g当たりのナイアシン生成量は、AよりBの方が少なくなります。
トリプトファン含量がAは14 mg、Bは5.8 mgで、Bのほうが少ないためです。
【ポイント】
トリプトファンの少ないとうもろこしを主食とする地域では、ナイアシン欠乏症であるペラグラが起こりやすいことが知られています。
制限アミノ酸を補う食品を組み合わせることを、たんぱく質の補足効果といいます。