管理組合Aが、区分所有者Bに対して滞納管理費の支払を請求するために民事訴訟法上の「少額訴訟」を利用する場合に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。
ア A又はBが、当該少額訴訟の終局判決に対して不服があるときは、管轄の地方裁判所に控訴することができる。
イ Bは、訴訟が係属している間であれば、いつでも、当該少額訴訟を通常の訴訟手続に移行させる旨の申述をすることができる。
ウ Bが滞納している管理費の総額が70万円である場合に、Aは、訴訟の目的の価額を60万円として少額訴訟を利用することができる。
エ Bは、当該少額訴訟において反訴を提起することはできない。
正答2
解説
正解は2(適切なものは二つ)。
少額訴訟の不服申立て、通常手続への移行、一部請求、反訴禁止を問う問題です。
【選択肢別解説】
ア:× 少額訴訟の終局判決に対しては控訴をすることができません(民事訴訟法377条)。
不服がある場合は、判決をした簡易裁判所に異議を申し立てることになります(同法378条)。
「地方裁判所に控訴することができる」とする点が誤りです。
イ:× 被告は、訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述をすることができますが、最初にすべき口頭弁論の期日において弁論をし、又はその期日が終了した後は、この申述ができません(民事訴訟法373条1項)。
「訴訟が係属している間であれば、いつでも」とする点が誤りです。
ウ:○ 少額訴訟は訴訟の目的の価額が60万円以下の金銭の支払請求に限られますが(民事訴訟法368条1項)、70万円の債権のうち60万円を一部請求として少額訴訟を利用することは可能です。
エ:○ 少額訴訟においては、反訴を提起することができません(民事訴訟法369条)。
よって適切なものはウ・エの二つです。
【ポイント】
少額訴訟は「60万円以下」「同一裁判所で年10回まで」「反訴不可」「控訴不可(異議のみ)」「移行申述は最初の期日で弁論するまで」を数字とセットで覚えましょう。