次のア〜エの文を正しく並べると、理事長の解任に関する最高裁判所の判決文の一部となるが、正しい順番に並べたものは1~4のうちどれか。
アこれは、理事長を理事が就く役職の1つと位置付けた上、総会で選任された理事に対し、原則として、その互選により理事長の職に就く者を定めることを委ねるものと解される。
イそうすると、このような定めは、理事の互選により選任された理事長について理事の過半数の一致により理事長の職を解き、別の理事を理事長に定めることも総会で選任された理事に委ねる趣旨と解するのが、本件規約を定めた区分所有者の合理的意思に合致するというべきである。
ウそして、本件規約は、理事長を区分所有法に定める管理者とし(43条2項)、役員である理事に理事長等を含むものとした上(40条1項)、役員の選任及び解任について総会の決議を経なければならない(53条13号)とする一方で、理事は、組合員のうちから総会で選任し(40条2項)、その互選により理事長を選任する(同条3項)としている。
エ区分所有法は、集会の決議以外の方法による管理者の解任を認めるか否か及びその方法について区分所有者の意思に基づく自治的規範である規約に委ねているものと解される。
正答4
解説
正解は4(エ→ウ→ア→イ)。
理事会決議による理事長の解職の可否が争われた最高裁判決(最判平成29年12月18日)の論理の流れを問う並べ替え問題です。
【選択肢別解説】
判決は、まず一般論として区分所有法の立場を述べ、次に本件規約の内容を示し、その規約の意味を解釈し、最後に結論を導くという順序で論じています。
エ(1番目):区分所有法が、集会の決議以外の方法による管理者の解任を認めるか否か及びその方法について、規約に委ねているという一般論です。
ウ(2番目):「そして」で受けて、本件規約が理事長を管理者とし、役員の選任・解任を総会決議事項とする一方で、理事の互選により理事長を選任するとしている、という規約の具体的内容を示しています。
ア(3番目):「これは」で直前のウの規約の定めを受け、理事長を理事が就く役職の一つと位置付け、互選により理事長の職に就く者を定めることを理事に委ねるものだと解釈しています。
イ(4番目):「そうすると」で結論を導き、理事の過半数の一致により理事長の職を解き別の理事を理事長に定めることも理事に委ねる趣旨と解するのが、区分所有者の合理的意思に合致すると述べています。
1:× アは「これは」で始まり、受ける対象(規約の定め)が先に示されていなければならないため、冒頭には来ません。
2:× 結論を示すイ(「そうすると」)が冒頭に来ることはありません。
3:× ウは「そして」で始まり、前提となる一般論(エ)を受ける文なので冒頭には来ず、また結論のイの後にエが来るのも不自然です。
4:○ エ→ウ→ア→イが判決の論理の流れに合致します。
【ポイント】
この判決は、標準管理規約と同様の規約のもとでは「理事会決議で理事長職を解くことができる」と判断したものです。
並べ替え問題では「そして」「これは」「そうすると」という接続語の受け方が決め手になります。