マンションにおける平穏な居住環境の維持を目的として、暴力団員(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員をいう。以下同じ。) への専有部分の貸与を禁止する場合等における次の記述のうち、区分所有法の規定、標準管理規約及び判例によれば、最も不適切なものはどれか。
正答2
解説
正解は2。
暴力団員への専有部分の貸与禁止に関する標準管理規約の条項と、区分所有法60条(占有者に対する引渡し請求)の手続を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:○ 組合員が専有部分を賃貸する場合には、契約の相手方が暴力団員ではないこと及び契約後において暴力団員にならないことを確約することを、その賃貸借契約に定めなければなりません(標準管理規約19条の2第1項1号)。
2:× 標準管理規約は、契約の相手方が暴力団員であることが判明した場合には、「何らの催告を要せずして」区分所有者は当該契約を解約できることを定めるものとしています。
さらに、区分所有者がその解約権を行使しないときは、管理組合は区分所有者に代理して解約権を行使することができることを定めるものとしています。
「相当の期間を定めた催告後」とする点が不適切です(標準管理規約19条の2第1項2号・3号)。
3:○ 占有者が共同の利益に反する行為をし、共同生活上の障害が著しく、他の方法では障害を除去することが困難であるときは、管理者又は集会で指定された区分所有者は、集会の特別決議に基づき、訴えをもって賃貸借契約の解除と専有部分の引渡しを請求できます。
決議の前には占有者に弁明の機会を与えなければなりません(区分所有法60条)。
暴力団組長に賃貸され、組員が常時出入りする事案で60条による請求が認められた裁判例があります。
4:○ 暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者は、役員となることができません(標準管理規約36条の2第3号)。
【ポイント】
暴力団員への賃貸は「無催告解約」「管理組合による代理解約」がキーワードです。
60条の引渡し請求では、弁明の機会は区分所有者ではなく「占有者」に与える点も狙われます。