区分所有者A(以下、本問において「A」 という。) が、マンションの管理組合法人B(以下、本問において「B」 という。) に対して管理費等を滞納している場合に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。
正答4
解説
正解は4。
管理費等債権について区分所有法が認める先取特権の性質(共益費用の一般の先取特権とみなされる)と、民法の先取特権の規定の当てはめを問う問題です。
【選択肢別解説】
1:○ 区分所有法の先取特権は、優先権の順位と効力について共益費用の先取特権とみなされます。
一般の先取特権は、まず不動産以外の財産から弁済を受け、なお不足があるときでなければ不動産から弁済を受けられないので、まず建物に備え付けた動産から回収することになります。
根拠:区分所有法7条2項、民法335条1項。
2:○ 区分所有法の先取特権には、即時取得の規定を準用する民法319条が準用されます。
Cからの借り物でも、Bが他人の物であることについて善意無過失なら、当該動産に先取特権を取得します。
根拠:区分所有法7条3項、民法319条・192条。
3:○ 先取特権は、債務者がその目的である動産を第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができません。
Dが譲り受けて引渡しを受けている以上、Bは行使できません。
根拠:民法333条。
4:× 一般の先取特権は、登記がなくても特別担保を有しない一般債権者には対抗できますが、登記をした第三者には対抗できません。
すでに抵当権設定登記を備えたEに対しては、先取特権の登記のないBは優先できません。
根拠:民法336条。
【ポイント】
区分所有法7条の先取特権は「共益費用の先取特権」扱い。
「動産から先に」「即時取得の準用あり」「第三取得者に引き渡されたら追及不可」「登記した抵当権者には負ける」の4点をセットで覚えましょう。