Aさん(80歳、女性、要介護3)は中途障害の全盲である。
介護老人福祉施設に入所している。
最近、食堂の席の入れ替えがあった。
Aさんは同じテーブルの利用者同士の会話を、自分に向けて話しかけられていると思って、応答した。
しかし、誰からも反応はなく、Aさんは下を向いてしまった。
その様子を見たB介護福祉職は、Aさんの状況に対応するために、同じテーブルの利用者にAさんの事情を話し、協力を求めた。
次の記述のうち、B介護福祉職が同じテーブルの利用者に協力を依頼した内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。
正答3
解説
正解は3です。
全盲の利用者が、集団の会話に参加しやすくなるための配慮を問う問題です。
事例では、Aさんは「同じテーブルの利用者同士の会話を、自分に向けて話しかけられていると思って、応答した」と書かれています。
視覚情報がないため、誰が誰に向けて話しているのかがわからないことが原因です。
【選択肢別解説】
1:× Aさんが下を向いたのは、会話の相手がわからず戸惑ったためです。
部屋で休むよう促しても、原因は解決せず、交流の機会が減ってしまいます。
2:× 黙って手を握ると、全盲のAさんは誰に触れられたのかわからず、驚くおそれがあります。
また、会話の相手がわからないという問題も解決しません。
3:○ 話す相手の名前を呼んでから話しかけると、Aさんは誰に向けた言葉かを判断できます。
自分に向けた話には応答し、会話に参加しやすくなります。
4:× 食堂での会話を控えるよう求めると、ほかの利用者の楽しみを奪います。
Aさんも会話から切り離され、孤立が深まります。
5:× Aさんが困っているのは、施設の予定ではなく会話の相手がわからないことです。
予定を伝えても、この状況の解決にはなりません。
【ポイント】
視覚障害のある人に話しかけるときは、最初に名前を呼び、自分の名前も名乗ることが基本です。
周囲の人にもこの配慮を伝えることで、集団の中での孤立を防げます。