〔事例〕
Aさん(78歳、男性、要介護1)は、一人暮らしで、脳梗塞(cerebral infarction)を発症し入院した。
その後、リハビリテーションを経て、自宅に戻った。
利き手の右手に麻痺が残ったため、左手を使った調理の自立を目的に、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。
サービス利用時は、訪問介護員(ホームヘルパー)の協力を得ながら、孫からプレゼントされた包丁を使って、調理に取り組んでいた。
ある日、好物の牛肉をうまく押さえることができず、切ることができなかった。
すると、Aさんは包丁を置き、部屋で横になってしまった。
心配した訪問介護員(ホームヘルパー)が声をかけ、バイタルサインを確認したところ変化はなかった。
Aさんは、「右手が思うように動いてくれない。悔しい。でも、もう一度ひとりで作れるようになりたい」と話した。
次の日、Aさんは、「今日も手伝って」と訪問介護員(ホームヘルパー)に話した。
訪問介護計画の修正を目的としたカンファレンスで、訪問介護員(ホームヘルパー)が提案する内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。
正答4
解説
正解は4です。
Aさんの訪問介護の目的は、「左手を使った調理の自立」です。
Aさんは「もう一度ひとりで作れるようになりたい」と意欲を示しており、牛肉を押さえられなかったことが課題になっています。
【選択肢別解説】
1:× 調理を代行すると、Aさんが自分で作れるようになりたいという意欲と、調理の自立という目的に反します。
2:× Aさんは次の日も「今日も手伝って」と頼んでおり、訪問介護員との関係に問題はありません。
担当を交代する理由はありません。
3:× 配食サービスを利用すると、調理の機会そのものがなくなり、調理の自立という目的に反します。
4:○ 食材を固定できるまな板などの調理用の福祉用具を使えば、片手でも食材を押さえて切ることができます。
Aさんの意欲を生かし、調理の自立に近づける提案です。
5:× 訪問回数を減らすと、調理の練習や支援の機会が減ります。
課題が残っている今の段階では適切ではありません。
【ポイント】
計画の修正では、うまくいかなかった原因(片手で食材を押さえられない)を分析し、それを補う方法を考えます。
片手での調理には、釘付きのまな板、滑り止めマット、固定具付きの器具などが役立ちます。